マンモス年が生み出した魑魅魍魎を後世に伝えなければならない
はいどうもこんにちはこんばんはxenonです(いらすとやのイラスト)
先日、最後のシーズン選手権が終わり、長い間運用されてきた4H1Bコンクエスト形式の大会が見られる機会も残りわずかとなった。
約1週間後にはドラゴン年に突入しHSは新たな1年を迎えるわけだが、それに伴って一大イベントであるスタン落ちが行われるわけだ。特に今回のスタン落ちには待ち焦がれてるプレイヤーも多いのではないだろうか。
なんて言ったってマンモス年に生みだされたカードはヤバイからである。
ヤバイです。
そんなヤベーやつらを風化させないためにも記事として記していこうと思う。
大魔境ウンゴロ
スタン落ちの直後ということもあって目新しさがあり、「ウンゴロは神環境」といったフレーズを見かけることも多い拡張。そんな拡張のトップバッターは、
新システムクエストカードである。
数が足りない?そんなわけ・・・
特筆すべきはやっぱりこいつ
・地底の大洞窟
今見るとすごいこと書いてんな…
リリース前の評価は非常に低かった"地底の大洞窟"。環境のパイオニアとしておなじみDogがクエストローグを用いて1位を獲得したことで強さが明るみになった。
モローズ(笑)
プレイングが難しくオタク受けの良いテクニカルなデッキの1つだが、一人でカードを出し入れして理不尽を押し付けてくる対話拒否ぶりに悪印象を覚えてるプレイヤーも多いだろう。
また、遅めのデッキに極端に有利であり、じゃんけん環境の一端を担う諸悪の根源でもある。ウンゴロ時代は対抗勢力として海賊ウォリアーが存在していたが、カウント4で5/5に変化という驚異的なスピードとパワーを兼ね備えていたため並大抵のアグロも蹴散らしかねない惨状であった。
その不健全さから二度ものナーフを食らい、カウント5で4/4に変化とパワーを落としたにも関わらずバリバリの現役状態で、先日の冬季選手権においてもRogerがクエストローグ入りの構成で優勝をもぎ取った。(バグか?)
↑rogerのリスト
・ウェイゲートの開門
もう1つアンチの多いクエストを挙げるとすれば"ウェイゲートの開門”ではないだろうか。こちらもDogがリリース直後にクエストメイジを開発し、環境に参入する結果となった。
Dog(@Liquid_hsdog)が現在配信で使用しているクエストメイジ
— ahirun (@ahirunHS) April 6, 2017
ゲーム後半まで粘り、鋳像で魔法使いの弟子を3,4体に増やした後、"時間湾曲"と"アントニダス"を組み合わせてバーストダメージを狙うデッキです
配信:https://t.co/rFslgI9VjQ pic.twitter.com/HSk5784TKK
(諸悪の根源はDogなのでは?)
フリーズ+ドローでパーツを揃える動きは従来のフリーズメイジに近しく、アイスランスが殿堂入りした環境においてOTKという形で擬似的に本家と対等した。
必要パーツ数が少なく済むジャイアント型のクエストメイジも現れた。
まぁ、これらのデッキの最も不快な点は今は亡きアイスブロックにあるのだが死者を冒涜するのもよくないので割愛する。
・獰猛なヒナ
ウンゴロの問題児。スタッツは3/3/3と軒並みだが1ターンでもボードに残すと死に至る可能性すらあるヤバイやつ。
疾風+隠れ身orタフネスアップで一生マウント取られて「しょうもね~~~!!!」って叫んだことのない人はいないだろう。多くのアグロデッキにて採用され、2年間顔面を殴り続けてきた。
(Hearthstone) MFW Turn One Flappy Bird - YouTube
古のムーブ、練気ヒナ
・ヴァイルスパインスレイヤー
書いてあることが明らかにヤバイ。テンポの鬼。普通にノーベルヘイト賞受賞者リストに入っててもおかしくないレベルだが、魔境のマンモス年出身者の中では霞みがちになっている。
ミラクルローグ、テンポローグ、奇数ローグといったテンポデッキにおいて長らく使用された。
・太陽の番人タリム
こいつに関しては好きなプレイヤーも多いかもしれない。(私も結構好き)
リリース前には使いづらそうといった意見も散見されたが、蓋を開けてみれば盤面の統制者として長らく君臨。レジェンドの風格。
バフ、デバフの両方の観点から使用できるためアグロ~コントロールまで多種多様なパラディンデッキに投入された。
(Hearthstone) Double Tarim Odd Paladin - YouTube
奇数パラディンの切札としても使われましたね。(奇数とは? Kappa)
・ゴラッカ・クロウラー
こんなカードもいたなぁ。海賊ウォリアーの台頭を抑えるために作りだされたこのカードだが、海賊ウォリアー自身が投入してミラーに強くするというミイラがミイラ取りになる状態も見られた。
アジア鯖レジェ。このデッキまだtier1でしょ・・・。 pic.twitter.com/djgMIDbTS3
— Tansoku (@Tansoku_gomo) April 7, 2017
こうして見るとウンゴロはマシなカードが多かった。逆にファイアフライやタールクリーパーといった良デザインのカードも多かったため親しまれてきたのかもしれない。
ウンゴロ環境自体はカニや秘密を食らうものなど直接的なテックカードが多かったことが結構ストレスだった気もするが・・・
凍てつく玉座の騎士団
はい。来てしまった。
終わらぬ冬が。
リリース前は散々塩パックだなんだと言われていたものだが、塩どころか劇薬であった。
Death Knight Hero Cards (DK)(ウォリとシャーマンを除く)
の存在をまず挙げるべきだろう。
これらのカードの性質として、早く引けば引くほど効力を発揮するというものがある。ミニオンやスペルと違ってDKは「ゲームが終了するまで」恩恵を受けれちゃう。
つまるところ、ミラーマッチを始めとした多くのマッチアップでDK先に引いた方がだいたい勝ち!wってゲーム展開が多発したわけだ。
もう一つ性質を挙げると、ヒーローパワーが強力になることで擬似的な無限のリソースが獲得できるようになった(一部を除いて)。DKレクサーやDKジェイナはそこらへんが顕著に現れている。
たったの1枚でコントロール系の遅いデッキに対する相性を大きく覆すことも可能になってしまったのだ。
これらDKカードは環境の遷移に伴い、パワーカードとして投入されゲームを大きく左右し続けてきた。
DKを核として構築されたデッキとして、ラザ+DKアンドゥインによるヒーローパワーでのバーストダメージで勝利を目指すハイランダープリースト(ラザカスプリースト)が印象的なプレイヤーも多いのではないだろうか。
このデッキはDKが登場した騎士団環境から2018年2月に実施されたナーフでラザが弱体化するまでメタに居座り続けることとなった。
個人的にハイランダープリーストで印象に残っている試合は2018年に開催されたHCT world championship のShtanUdachi対Surrenderの試合。
プリ側がアーマーゲインでバーストダメージを逃げ切られやすい不利マッチだが、ほぼ全てのカードを使いきり相手のフェイスを0にしたsurrenderが見事勝利を勝ち取ったのである。
↑当時のリスト
おまけ
初のお披露目会でDKを燃やしちゃうBenとKibler(おちゃめ)
・ケレセス公爵
憎いか?俺は憎い。
騎士団カードの中でも早い段階で発表されたこのカード。発表当初の評価は「大事な2コスト帯のカード抜いて入れるわけねーだろバーカw」って人が多かったと思う。実際リリースされてすぐにお目にかかることはなかった。
しかし、あるプレイヤーが夏季アジア太平洋プレイオフにこのカードを持ちこんじゃうわけである。
日本人HSプレイヤーのuyaさんが持ちこみ、見事世界への切符をつかみ取ったデッキの1つであるケレセスパラディンだ。
当時のメタに存在しなかったこのデッキは、15枚の1コストカードと三下集合によって2コストのカードをケレセスのみにすることを容認化し、ケレセスムーブのパワーを世に知らしめた。
ラダーでは翡翠ドルイドの広がりゆく虫害の存在があったため中々流行らなかったが、2Tの動きをヒロパで誤魔化せるテンポローグやケレパラ同様に1コスミニオン+ライフタップでマナカーブを埋めれるZOOにおいてケレセスは採用されることになる。
このカードもDK同様で早く使用すればするほど恩恵が多く受けられるカードである。
同型のアグロ、テンポデッキだとケレセスを出したプレイヤーVSケレセスを引けないプレイヤーでは大人VS小学生くらいパワーが変わってくる
2/2/2というサイズも小癪で、古のカード”霧招き”と比べるとテンポを失うことなくプレイ出来るしバフいっぱい乗せられる。お得。しかもケレセスステップケレセスステップケレセス(詠唱呪文)も唱えることができる。怒る。
・ボーンメア
お披露目当初はアドベ専用カードだと思われていたカード。「いやこれヤバイでしょ…」って言ってたらやっぱりヤバかった。
とにかくテンポアドバンテージの稼ぎようが凄い。本体の5/5サイズも地味に大きくて並みな1手では返せずアリーナではほぼマストピックの王者。
現ヴドゥ環境でも偶数ウォーロックにて主にピン差し採用が見られるがナーフ後は数を減らした。
・ハッピーグール
インプコインヴードゥーグールグール Kreygasm
ウィッチウッド環境も終わりに差し掛かった7月頭に突如として現れたヒールZOO
空き巣成功楽しすぎて無限に回せる。戦績は24-8
— takas (@takas_020) July 1, 2018
ラダーで当たった哈根大濕って人のをパクったけど、誰がオリジナルかは不明 pic.twitter.com/CkI6O8fKOz
初出はtakasさんのツイート
大味環境による淘汰と議員などの強力なミニオンのスタン落ちによって立場を失っていたZOOだが、ケレセスとハッピーグールの2つのズル要素を取り組んだことで地位を復権した。
・拡がりゆく虫害
スーパーストレスカード
リリース前の評価は低めだったシリーズ。手のひらぐるんぐるん。
多くのアグロデッキを殺し、テンポを取る行為が裏目になる可能性があるというジレンマを多くのプレイヤーにトラウマを植え付けたこのカード。
アーマーゲインに加えてライフを大幅に守れるため、ドルイド一式*1の1枚としてナーフ後も使われ続けた。
・ハドロノックス
ウィッチウッド環境に台頭した挑発ドルイドの親玉
大型挑発ミニオンを墓地に落として大量召喚。
魔女の刻+肉食キューブで大量召喚。
本格スマホカードバトルか?
(本格スマホesportsでも出来ません)
タフネスの大きさが目立ち使われないだろうと予想されていたが、回帰とのセットでスペル感覚で使用された。
・究極の侵食
(小学生が考えたのか…?)
恐らくこの記事の中で最高レベルにヤバイカードである。
このカードの最もな問題点はドルイドに存在することだ。
ドルイドの十八番と言えばマナ加速にあるわけだが、マナ加速するだけじゃ当然勝てない。盤面に干渉できなかったぶんのテンポを先のターンで取り返さえさないといけないし、消費できるカードが増えた分ハンドが細くなってガス欠してしまう。相手にライフを詰める隙も与えてしまうため、思ったよりランプアクションは代償が大きい。
「はぁ…マナ加速して失った分のアドバンテージを1枚で獲得できるカードないかなぁ…ないよなぁ…」
出来るんですね。このカード。
1枚でハンドリソース、ボードアドバンテージ、ライフアドバンテージを取り返せちゃうなんて夢みたいな話。しかも4/4がおまけみたいにハンドから出てくる。
このベストマッチな相性から、繁茂→滋養→侵食を理想ムーブとして確立し、翡翠,ランプ,マリゴス,トグワグル,メックトゥーンといったドルイドデッキが環境を支配する礎として存在し続けた。
インパクトも凄いこのカードは当然ユーザーからの反感も買うわけだ。
(究極の侵食 シャドバ とは)
そんな中で騎士団リリースから1か月後のナーフ。ストレスカードの虫害はナーフされたものの侵食には手つかず。
検討はしたそうだが様子見ということで釈放された。
しかし、虫害のナーフ後も相も変わらず侵食を振り回して暴れるマルフュリオン。
「いや流石にそろそろナーフされるでしょw」ってずーっと待ってたら
? ? ?
なんか流れ弾が当たってた。スタン落ち後のドルイドどうするんだ?
・冒涜
このカードはずば抜けて高い除去性能を持っている。
たったの2マナで4,5点のAOEに化けることはざらにあり、遅めのウォーロックデッキのAOEスペルとしてヘルファイアと共に採用され続けてきた。
しかーし、空中戦となったHS2においてこのカードの使用は一筋縄じゃいかない。
所謂、冒涜算というやつだ。
私も遭遇したことがありました。(古のスクショ)
制限時間内に階段を見つけ出さないとALLクリアできないし、単純な算数だけではなく冒涜に巻き込むカードやそもそも冒涜のプレイが正しいのかも考慮しないといけないため判断力を問われる。
大事な大舞台なんかで出くわすと… FailFish
騎士団のカード達はウンゴロに比べると不快感を与えやすいものが多く、後の環境に大きく影響する悪党揃いだった。ドルイドストーンの始まりの拡張であった騎士団拡張もあと約1週間の命と考えると感慨深いものがある。
コボルトと秘宝の迷宮
年の最後の拡張はスタン環境に在中する期間が最も短いためやんちゃなカードが刷られがちだ。マンモス年という魔境の1年の締めくくりとなる拡張でも例外ではなく数々のOPカードが輩出されることとなった。
・肉食キューブ
最も環境に濃く影響を与えたカードと言えば肉食キューブではないだろうか。
このカードが脚光を浴びたのは日本人HSプレイヤーのばるでるさんが作成したキューブロック(元OTKウォーロック)が公開されたことに始まる。
Hit Legend with OTK Warlock!!!(17W3L)
— ばるでる☆*。 (@DUE_nest) December 11, 2017
weapon(Doomguard)+Umbra+Carnivorous Cube+Dark Pact=25damage pic.twitter.com/by9grYmYea
このデッキだけは天才の産物だと個人的に思っている
何故か同時に刷られてしまった5種のコアパーツと共に環境を破壊。マナアリの髑髏と取り憑かれた従者によるコスト踏み倒しに肉食キューブを重ねることでテンポの概念をぶっ壊す!
If you don't think cube lock is fun you aren't playing it. pic.twitter.com/SZ6O6boGCD
— Zalae (@ZalaeHS) December 24, 2017
DKでもぶっ壊す!
ワタリガラス年に入るとその悪行振りはますます加速。
ウィッチウッド環境に入るとハドロノックス+魔女の刻とのパッケージで挑発ドルイドが誕生した。
ウィッチウッド後期になると元々は沁み出すウーズリングを主軸にしていた断末魔ハンターがデビルサウルスの卵+キューブを軸に替え環境を一変。特にキューブ+死にまねorテラースケイルの組み合わせにはこれまでのキューブデッキ以上に目を見張るものがあり、高いデッキパワーを見せつけた。
その後も、メカ要素を含んだエッグハンターもどきの断末魔パラディンが登場したり、ミラーやミッドレンジ系のデッキに強くなるといった目的で奇数ウォリアーに投入されたりと引っ張りだこ。
1つ明確に言えるのは、このカードはHSを空中戦に持ちこんだ主犯格であるということだ。このカードの存在がHSの醍醐味であるボード上でのテンポアドバンテージの小競り合いを否定し一方的なパワープレイを押し付けることが可能となった要因なのである。
・回廊漁り蟲
テンポアドバンテージの話ならこいつも忘れてはいけない。FB公開で有象無象のカードと共に公開されたカードであったが、ナーフ前はキューブと同等、いやそれ以上に猛威を振るっていたカードである。
当時存在していたアグロドルイド、テンポローグ、ZOO、マーロックパラディン、アグロハンター、性悪デッキ等の初動の速いテンポデッキにおいては必需品であり、マリガン時に握れているかどうかは勝敗を大きく左右した。
また、ビジュアルに否定的な声が多く(私は結構好きなのですが…)、初心者がまず作成すべきカードがイカついドラゴンやかっこいい魔王ではなくどぎついオナホワームというだいぶ敷居の高いゲームになっていた。
しかし、2月に行われたナーフにおいて5/5→2/5にスタッツが変更と早急な対応がされたことで暴れまわった期間は短いものとなる。パワーが格段に落ち採用されることはほぼなくなっていたが、ウィッチウッドリリース後は相性の良い奇数パラディンの登場により環境に復権した。
・マスターオークハート
クソゲーメーカー。ボード構築しながらデッキ圧縮もできる壊れ性能。招集予定のミニオンを引くと一気にパワーが下がる博打カードであるが、ハマれば強いOPカードである。
マナ加速で早期の着地が見込めるランプドルイド,挑発ドルイドにおいて主に投入された。
現ヴドゥ環境では壁プリーストにおける使用が見られる。
・性悪な召喚師、記録保管大臣
デッキのスペルを重コストのものに絞ることでバリューが高められる2枚。6/4/4出すとおまけで12/12アンタッチャブルが出てくる謎の暴力カード。
初出は重めのスペルに寄せたコントロールメイジ(ビッグスペルメイジ)であったが軸となるほど強力なものではなかった。そのパワーを見せつけたのは日本人HSプレイヤーのsatelliteさんがレジェ上位を獲得した性悪プリースト。
EZ BIG EZ Priest pic.twitter.com/eOf0Bg4FUm
— Sate( ◜◡◝ ) (@Satellite_HS) December 12, 2017
琥珀の中に眠るものと精神支配にスペルを絞ることで記録保管大臣を確実に強く使えるようにしつつ、性悪な召喚師の効果で出るミニオンは外れの少ない8と10のカードプールからのみ選出されるという好都合な構築となっている。
当時はカバールのカギ爪のプリーストやドラゴニッド諜報員といったミッドレンジデッキにおいて最強のバリューカードも存在したためデッキパワーが非常に高かった。
研究が進むとスペルを究極の侵食のみに絞った性悪ドルイドが登場。性悪プリーストと違いスペルが2枚しかないため不安定要素が大きいものの、そもそも究極の侵食は引ければ強いため誤魔化せるほどのパワーがあった。
ウィッチウッド環境半ばのナーフにて6コストから7コストへ弱体化。即効性のあるカードではないため1コストの上昇は痛手であったが、数を減らしながらも性悪ドルイドが時たま環境に現れ続けた。
・菌術師
これまで紹介してきたやばいカードたちによって、特にワタリガラス年に入ってからのアグロデッキ勢力はか細いものとなっていた。そんな中でアグロデッキが一定数存在し続けられたのは縁の下の力持ちカードであるこの菌術師の活躍にある。
シンプルながらにも着実に盤面を強固にしてくれるカードで、zoo,奇数パラ,奇数ローグなど数多のアグロ~ミッドレンジデッキに採用された。
・キング・トグワグル
HSらしい面白カードの1つ。相手に5コスト強要させるため実質3/5/5(笑)とネタカード扱いであったがウィッチウッド環境にて自然との回帰と組み合わせることで身代金を燃やすトグワグルドルイドがアンチコントロールデッキとして確立した。
しかし、この時点でのリストは相手にハンド枚数を調整されるとコンボが決められない初見殺しデッキであったため広く使われることはなかった。
リストが洗練されると、これまたネタカードと思われていたアザリナ・ソウルシーフ+古代樹の小枝との組み合わせが見つかり、武器破壊されない限り確実にデッキ交換が可能となった。
メカメカ環境に入るとドリームペタル栽培師も加わり武器無しでもコンボが決められるようになった。
トグワグルドルイドの面白い点として両プレイヤーが0マナアザリナ・ソウルシーフを持つと非常にゲームが難解化する点がある。
相手と常に手札を共有することになるためトグワグルの価値が消失し、アザリナの出し順で展開が変化するパズルを紐解くようなゲームに変貌。奇数ウォリアーやコントロールメイジなどの不利マッチもアザリナを使いこなせれば勝ち越すことができるため、アザリナ学の履修が求められた。
ヴドゥ環境では魂剥ぐロア・ハッカーとの組み合わせも誕生し、先日のシーズン選手権においてもDefinitionが持ちこんでいた。
ショニア+低コストスペルでハンドを回す型が主流に
・ドルイドアーマーハッピーセット
ドルイドウォリアー化計画ブースターパック
(謎の)熱いアーマーゲイン押しによって前記の繁茂→滋養→侵食のムーブがより確固たるものになったぞ!
侵食や虫害ついでに4/4がついてくるようになったぞ!
多くのアグロデッキは環境トップに長らく居座り続けるドルイドのアーマーゲイン+虫害によって死滅していく。
・エメラルドの呪文石
発表当初はハンターが完全に小ばかにされるほど不遇ヒーローであったことも相まって、あまり評価されていなかったカード。実際問題環境トップであったキューブロックのヘルファイア、性悪プリーストのダスクブレイカーにめっぽう弱くシクレ型のハンターは目立たなかった。
ワタリガラス年に入り、繁茂滋養がナーフされ、ドルイドストーンから一変してハンターストーンになると秘策シナジー+ご主人様の呼び声を組み込んだハイブリッドハンターが環境を支配。
2019年2月のナーフで5コスから6コスに上昇し秘策シナジーは弱体化したが、その後もミッドレンジハンターがほぼ一強の環境を維持している。
・爆発のルーン
ハンターの狙撃とかいうカードと比べて圧倒的なカードパワーを持つシクレ。小さめのミニオンで透かそうとすれば顔に打点を通せるためほぼ確実に3マナぶんの仕事をこなせる(全自動キューブ割り機になることもあったが)。
コボルト環境当時は1コスマナワーム,カバールの下っ端,メディヴの従者,カバールのクリスタルの運び屋が共存していたためパワーも非常に高かった。
・動員
明らかに書いてあることがおかしいシリーズ。
単純に4マナで最大6マナの働きをしてるのがおかしいし、ハンド1枚消費で3体ミニオン出せるのもおかしい。特におかしい点は後半引くとバリューが低くなる低コスト帯のミニオンをデッキから吐き出して圧縮していることだ。
マーロックパラディンに始まり新兵パラディン、コントロールパラディンなどタリム同様に多種多様なデッキに投入された。
ウィッチウッド環境に入ると、偶数パラディンが環境トップに君臨する礎となる。偶数パラディンはドローソースが乏しいため、デッキ圧縮が擬似的なドローソースとなるこのカードは軸と言っても過言ではない。アリーナカードであったアマニの狂戦士が評価され投入されたことからもうかがえるだろう。
ウィッチウッド半ばのナーフでコストが4から5に上昇すると、偶数パラディンはデッキパワーを格段に落とし動員が見られる機会も減少した。
後の環境ではOTKパラディンにて序盤のごまかし兼デッキ圧縮の用途で用いられる。
・未鑑定の大槌
発表当初の環境では勝鬨の剣という最強の3武器が存在したためこちらが採用されるかは懐疑的であったが、マーロックパラディンや新兵パラディンなどで両採用する構築が多かった。ウィッチウッド環境後はおもに奇数パラディンにて採用される。
このカードの最もクソな点は赤色に変化した時が強すぎるという点である。新兵召喚も攻撃力バフもなかなかに強いのだが聖なる盾付与だけは群を抜いて強い。序盤に除去耐性を付けられるだけで盤面を返す難易度が格段に上がり、そのまま押し切る展開を容易化する。
赤ハンマーで負けたときは非常にため息が出るため一押しの早く落ちてほしいカードである。
・レベルアップ!
兵站将校って知ってる?wって馬鹿にしてたカードがナーフにまで至るとは思っていなかった・・・
当然奇数パラディンにおいて採用され効果的に働くのはわかるのだが、コボルト環境時点で新兵パラディンが生まれるとは思っていなかったため当時は驚いた。
新兵パラ,奇数パラの粘り強さを後押しする1枚であり、特に奇数パラディンのキーカードとして重宝された。
繁茂滋養と同タイミングのヴドゥ環境初期に5コストから6コストにナーフ。奇数パラディンは死滅すると思われたが、フロストウルフの将軍で穴を埋め、その後もなお環境に居座っている。
・ダスクブレイカー
またまた書いてあることが明らかにおかしいシリーズ。なぜかヘルファイアを内蔵している3/3。
【新カード】
— ahirun/黃色小鴨 (@ahirunHS) November 20, 2017
プリーストの新カード「ダスクブレイカー」ですが、開発としてはドラゴンプリーストをミニオンを並べるデッキではなくコントロールデッキ寄りにしたいとのこと。強力なカードであるとはっきり認識して追加しているそうです。https://t.co/qVfGfQuexW pic.twitter.com/8mEhbvDDCt
開発陣も強力であると認めている1枚。
発表当初はドラゴニッド諜報員という名の最強ドラゴンミニオンが存在していたため当然暴れる。ラザカスプリーストがナーフで死んだあとはドラゴンコンボプリーストが環境を牛耳ることとなる。
多くのアグロデッキから1発でテンポを奪い返せるこのカードはワタリガラス年にもコントロールプリーストにて採用され、スタン落ちまで使われ続けた。
・心霊絶叫
当然強いAOE。ラザカスプリーストが猛威をふるっている環境での発表に暗雲がたちこめ、予想通り遅延カードとして採用される。
断末魔を発動させずにボードを更地にできる点も非常に強力であり、ラザカスプリーストに始まりのちのコントロールプリーストまで採用され続ける。
・ダイヤモンドの呪文石
しょうもなデッキ、ビッグプリーストを支えるスペル。
Hit rank 1 legend with big priest, didnt draw barnes a single time ☺️💯‼️ pic.twitter.com/EozGQdHXQ8
— AsmodaiTV (@coL_Asmodai) March 19, 2018
asmodaiが好んで使っているデッキであり、ワタリガラス年に入ってからも何度も上位を獲得している。
プレイングの必要とされるデッキではあるのだが、コストの大きいミニオンをバーンズや影の真髄で擬似召喚し、墓地から何度も復活させる性質上不快感が非常に貯まりやすい。そのためこのアーキタイプが嫌いなプレイヤーは数多く。
メカメカ環境になるとゼレクのクローンギャラリーの追加で墓地に更に落としやすくなり、主にヴェレン+マリゴス+バーストスペルでのOTKデッキとしてメタに居座り続けた。
・大逆の刃キングスベイン
キングスベインローグという新たなアーキタイプを生み出した1枚。DKヴァリーラと組み合わせるとファティーグが発生しなくなることからアンチコントロールの一端をになう。
Got rank 1 on NA!
— David Caero (@Liquid_hsdog) December 14, 2017
Mill rogue and Cube warlock :P pic.twitter.com/uHEzH3lM5K
これまたdogが環境初期に1位を取ったことで注目される。(このツイートにAyalaがOh no…ってリプしてるの面白ポイントだな)
キングスベインローグの不健全な点はキングスベインと吸血毒との組み合わせにある。1度武器を強化してしまえば、無限に体力が回復できる状況が生まれる=実質的なゲームセットが発生してしまうのだ。
OTKデッキと性質自体は変わらないといえば変わらないのだがコンシードを強要されるぶん中々に不愉快である。
バランス調整の実施 – 2018年12月 - ハースストーン
このデッキの性質はblizzardの哲学に矛盾したため吸血毒ナーフという形で幕を閉じることとなる。
・ソニア・シャドウダンサー
冒頭にも書いたように、クエストローグというデッキは2度ものナーフをくらいながらも先日のシーズン選手権優勝構築に組み込まれるほどのパワーを保っている。どうして完全に弱体化しないのだろうか?
答えは弱体パッチだけでなく強化パッチも追加されているからである。
その第一強化パッチは紛れもなくこのソニアシャドウダンサーだ。
イノシシor甲板員と組みあわせると驚異的な達成スピードを見せ、ナーフで増えたカウント回数を物ともせずクリスタルコアを手に入れることが可能となった。
第二強化パッチである獰猛なスケイルハイドとの相性も凄まじく、クリスタルコア使用後はボードをクリアしながらレノジャクソンができてしまう凶悪コンボを成立させたことこそがスタン落ちまで環境に居座れた要因である。
・ファルドライ・ストライダー
リリース前は今拡張で最も強いと思っていたカード。蓋を開けてみれば化け物だらけだったため環境を壊すほどではなかった。
しかし、4/4/4に遅延こそあるもののオマケで4/4/4が3体ついてくる効果自体は強力。ミラクルローグはもちろん、派生形のスプリントローグやヴドゥ環境のテンポローグにて採用された。
・世界揺さぶるグランブル
6/7/7と強靭なスタッツを持っているエレメンタルミニオン。デメリット扱いされている雄叫び効果は味方ミニオンの雄叫び使いまわし+タフネス修正ができる優れものでほとんどデメリットになっていない。
それどころか、この雄叫びは多くのプレイヤーにトラウマを刻み込んだシャダウォックシャーマンを誕生させてしまう結果となる。
環境初期から多くの競技プレイヤーにも注目され、有名ストリーマーのtoastが高勝率でレジェンドまで駆け上がったことなどで広く知れ渡る。
不確定要素を含むOTKデッキであったため脆弱性を感じなくもないが、強力なAOEと高い耐久力を持っており多くのアーキタイプに勝てるOTKデッキであったため競技シーンでも幅広く活躍した。
OTK時のエフェクトが非常に長いため、一度HSを落として再起したほうが速いという小ネタもあった。
サロナイト鉱山の奴隷がヴドゥ初期のナーフされコンボが成立しなくなった後はエレメンタルシャーマンにて採用される。
エレメンタルシャマで一桁 :D pic.twitter.com/LzZVgvPja5
— posesi (@posesi8) February 11, 2019
ここでまとめに入りたい。
一つ言いたいことがあるとすれば、
取り上げるべきカードが多すぎる。
正直な話、凍てつく玉座の騎士団あたりでだいぶブログモチベが落ちていたのだが最後の最後にパワーカードがわんさかいすぎである。もう少し特筆すべきカードもありそうだが面倒になったため削る。許して。
終わりに
不満の声も上がる2年間であったが私自身一番濃くHSをプレイした2年間でもあったため結構楽しませてもらった。ドラゴン年も楽しみだ。
期待しているぞAyala!